こんにちは、jocundのオーナー atsuyanです。

突然ですが、あなたが人生で一番長く着ている服って、どんな服ですか。

 

友達と遊びに行く日に選ぶお気に入りの服?

それとも、誰に見せるでもなく何気なく手に取っている普段着?

僕は後者だと思います。

 

  • 通勤して帰ってきた夜
  • 休日の昼下がり
  • リモートワークの一日

 

特別じゃない時間って、思っているよりずっと長い。

 

僕たちの人生の大半は「普段」でできていて、

その時間をどう過ごすかで、毎日の気分はけっこう変わります。

 

なのに僕は長いこと、その「普段」に目を向けられていませんでした。

 

今回は、そんな僕がなぜ普段着のブランド「jocund」を立ち上げたのか、その理由を書いてみようと思います。

 



きっかけは、コロナ禍のリモートワーク

 

普段着のことを真剣に考え始めたのは、コロナ禍のリモートワークでした。

最初のうちはパジャマのまま仕事をしていました。

 でも気持ちにスイッチが入らない。
(後に知ったのですが、これは「着衣認知」といって、着ている服が人の心理状態やパフォーマンスに影響を与えるという、心理学で実証されている現象でした。)

どこかだらしない自分に後ろめたさを感じながら、

なんとなく一日が終わっていく。

 

夕方、ふとデスク横の窓ガラスに映った自分を見て、手が止まったことがあります。

 ヨレたTシャツに、毛玉だらけのスウェット。

別に誰に見られるわけでもない。

でも「今日、自分は何やってたんだろう」と思った。

 

サボっていたわけじゃない。ちゃんと仕事はしていた。

なのに、自分自身に対して「ちゃんとしていない」と感じてしまう。

その後ろめたさの正体が、着ている服から来ているなんて、当時は気づいていませんでした。

 



「ちゃんとした服」も、答えじゃなかった

 

じゃあ着替えよう、と。 もともと服が好きだったので、

それなりにお金を出して買ったお気に入りの服を引っ張り出してきました。

 

でも今度は、別のことが気になり始める。

 

「このまま座ったらシワになるな」

「昼にラーメン食べたいけど、油はねたら嫌だな」

「ソファでゴロゴロしたいけど、伸びそうだな」

 

家にいるのに、なぜか気が休まらない。

 

ヨレヨレだけど安心できる服か、 気分は上がるけど気を遣う服か。

いつもそのどちらかしかなくて、ずっとモヤモヤしていました。

「安心」と「高揚感」って、一着の中で両立できないものなんだろうか。

 



「信頼できるから、手が伸びる」という感覚

 

そんなときに思い出したのが、大学時代に親戚からもらった古着のパンツでした。

特別お気に入りだったわけでもないし、ブランド名ももう覚えていません。

 

ただ、シワになりづらくて、汚れも気にならなくて、いつの間にかそればかり履いていた。

気を遣わなくていい。なのに、嫌いじゃない。

その感覚が、静かに心地よさへと変わっていったんです。

 

あのパンツは「どうなってもいいから着る服」ではなかった。

「信頼しているから、安心して手が伸びる服」だった。

 

信頼で選ぶのと妥協で選ぶのは違う。

その差は本当に小さいんですが、毎日の気分を静かに、

でも確実に変えてしまうくらいの力がありました。

 



部屋着を「二軍」から「一軍」へ

 

僕はもともと「暮らし」というテーマで発信をしてきました。

その中でひとつ、ずっと感じていることがあります。

「人生の中で、楽しいと思える時間が多ければ多いほど、人生は豊かになる。」

とても単純なことです。

 でも、この実感がすべての起点になりました。

 

じゃあ、人生で一番長い「普段」の時間を少しでも心地よくするには何ができるだろう。

そう考えたとき、真っ先に思い浮かんだのが、毎日着ている服のことでした。

 

  • 何気ない朝
  • ソファに座る瞬間
  • コーヒーを淹れる時間

 

そこに身につけているものこそ、本当は一番人生に影響を与えている。

部屋着は「二軍」ではなく、最も出番の多い「一軍」なんだと。

 



探してもなかったから、作ることにした

 

そう気づいてから、条件に合う服を探しました。

洗って、干して、そのまま着られる手軽さ。

袖を通したとき、背筋がすっと伸びるシルエット。

朝クローゼットの前で「今日はこれでいい」ではなく「今日はこれがいい」と思える一着。

 

でも、この条件を満たす服がなかった。

楽な服はいくらでもある。でも「楽なだけ」で終わる。

きれいな服もいくらでもある。でも普段着るには気を遣いすぎる。

ないなら作ろう。そう思って生まれたのが、jocundでした。

 

なぜこの素材で、なぜこのシルエットなのか。
その裏側にある話は、また改めて書きたいと思います。

 



服ではなく「心の余白」を届けたい

 

僕自身がそうだったように、少し怠けてしまった自分をどこかで責めてしまうことって、誰にでもあると思います。

だらしない格好で過ごした一日の終わりに、「またこんな一日だった」と思う。

別に誰に怒られたわけでもないのに、自分で自分を減点してしまう。

僕が欲しかったのは、その減点をなくしてくれる服でした。

 

がんばって着飾る服じゃない。

がんばらなくても、着るだけで「大丈夫」と思える服。

 

シワや汚れへの小さな不安がなくなると、行動がほんの少し素直になります。

自分に余裕ができると、隣にいる人にも自然と優しくなれる。

 

僕が届けたいのは、服そのものというより、

服に気を遣わなくて済むことで生まれる「心の余白」です。

 


 

もしあなたも、鏡に映った普段の自分にモヤッとした経験があるなら、

その感覚を大事にしてほしいと思っています。

人生は特別な日より、普段の日のほうがずっと長い。

だから、そこを変えるだけで、毎日は思ったより変わります。

 

こだわるなら、普段だ。

- jocund オーナー atsuyan -